Mishima Satsuki

イラストレーター / デザイナー

1992年生まれ。現役美大生。CDジャケットや雑誌の挿絵、グッズデザイン、フライヤー、名刺制作などを手がけ、今もっとも注目されるアーティストのひとり。

三嶋さつき_いきをすう

4楽したい。

一気に桜が咲いた。

今年は、例年よりも寒い日が多かったように感じる。つい最近まで、冬物のコートを着ていた。と思ったら、一気に暖かい風が吹き始め、3日ほどで家の前の桜並木が満開になり、道を歩く人はみんな上を向いている。いい季節だ。そんな中、久しぶりに風邪をひいた。どんどん声が出なくなっている。そんな春。

家の前の桜は毎年綺麗に咲いています。

Instagramをやめた理由

私は、インスタグラムをやめた。フォロワーが1万と2千人くらいいた。本当にありがとうございました。私にとって、インスタグラムやツイッターというものは仕事の宣伝をしたり、次の仕事をつなぐための大切なツールだった。
私は、手で描いたり作ったりすることが好きだ。残るものが好きだ。雑誌のスクラップが好きだ。印刷された写真のアルバムが好きだ。手紙が好きだ。新聞を読んでいるサラリーマンのおじさんを喫茶店で眺めるのが好きだ。VHSのなんかわかんないけどすごい厚みのある、なのに軽い感じが好きだ。中の長いやつを引き抜くのが好きな子供だった。

とても便利な時代が来た。みんなが自分の今の気持ちを呟ける。創作したものを発表できる。誰かがどこかで作ったものを画像としてたくさん保存しておける。お気に入りのコーディネートをクリップしておける。

あー。なんて便利なんだ。全部親指一本でできる。すごい。とっても便利なので、カロリーなんて一切消費しないで色んなことができるようになった。ポテチをぽりぽり食べながら、親指ひとつでいいね!と評価ができるようになった。あらゆる情報がとてつもないスピードで流れるようになった。気づいたら流し見している自分がいた。

それが良いことなのか悪いことなのかは、わからない。どちらもあると思うし、どっちでもいいと思う。多分、使う人次第だ。

楽することと、必死にもがくこと

2017年5月1日、名古屋の『(N)ICI FES(ナイスフェス)』で似顔絵屋さんをやります。グッズも持っていきます、是非遊びに来てください

カロリーを消費していない創作物は、ばれる。流れる。と、思っている。
くるしい〜〜!だ〜〜〜!って、必死にもがきながらできたものは、きっと後にも残る。と、思っている。

思っているだけで、私はとにかく「楽したい・寝てたい・何もしたくない」の三拍子がいつも頭の中でぐるぐるしている怠惰な人間なので、くるしみたくない。楽して儲けたい。寝てたら仕事が終わっててほしい。映画観てたら課題が出来上がっててほしい。

これは、自堕落サイドの私の話なのだが、もう片方の私は、このコラムの最初の方でも書いたように、誰かに喜んでもらうことが好きで、頼られるのが好きで、褒めてもらうことが大好きな人間だから、そのために頑張りたい。頑張れちゃう。この間も、今一緒に進めさせていただいている仕事の打ち合わせがあった。色んな人と、あーでもないこーでもないと言いながら一つのものを作っていくのは、めっちゃ楽しい。

そんな二人の私は、いつも戦っている。

良いものを「実際に」見て、食べて、感じよう

だいぶ話が逸れてしまったような気がするが、私は来年から新しい環境で、新しい職業に就くことになる。学生である残り1年、私は、来年からの時間のための吸収期間として、今年は良いものを「実際に」見て、食べて、感じようということになった。そして、その中でもいただける仕事や制作に関しては、くるしい〜〜〜!と言いながらも頑張ることにした。なぜ、そこがインスタグラムをやめることにつながるのか。フォロワーの「数」、いいね!の「数」•••私、昔から数字って苦手なんですよね〜。それだけだ。特にしっかり、どっしりした理由がなくてごめんなさい。

ツイッターをなぜ辞めないかというと、友達や好きなバンドの呟きを読むのが楽しいということが勝っちゃったからです。この間、ある舞台を観に行き(本当に面白かった)、帰りにその出演者の方が観に来てくれた方たちに向けて呟きをしていた。気づいたら、ポテチを食べながらいいね!を押していた。あー。便利。

(N)ICI FES(ナイスフェス)

2017年5月1日 名古屋 HAIR ICIにて

名古屋市内を中心にヘアサロンを展開するHAIR ICIがゴールデンウィークのど真ん中にフェスを開催。音楽、マーケット、ヘアーショウと、美容師主宰のイベントならではの企画が盛りだくさん。三嶋さんは似顔絵屋さんで参加予定です!

三嶋さつき_いきをすう

1

1月23日公開

デザインは誰かの、しあわせのた...

現役美大生でありながら、プロとしてCDジャケットや雑誌の挿画のデザインなどをこなす話題のアーティスト、三嶋さつきさん。Instagramで1万人以上のフォロワーを集めるなど、インターネットでもその評価は着実に広まっています。平日は学校、週末は自宅でデザインの仕事をしながら、デザインとは何か?という根源的なテーマに向き合っています。

2

2月17日公開

絵のはじまりから

学校や仕事のあいまにも絵を描く。「部屋にあると優しい気持ちになるようなものを」そんな創作活動への姿勢は三嶋さんのすべての作品に共通しています。最近描いただいすきなチューリップの絵が完成するまで工程を公開!

3

3月21日公開

太陽と呼吸をした

吉祥寺にじ画廊での個展『いきをすう』と『太陽と呼吸』を終えて、搬入や設営をしながら「お客さんに来てもらえるのか?!」と不安になったことや、それでも会期中にはたくさんの出会いがあったことなどを、いま振り返ります。

4

4月18日公開

楽したい。

12,000人のフォロワーがいたInstagramを突然やめた。それは作家としての決意表明だったのかもしれません。本当は楽したい。だからこそ、指さきだけで簡単にできてしまうことから距離を置こう。今年は学生生活最後の1年、そんな思いを胸に、三嶋さんはどんな時間を過ごすのでしょう。

5

5月30日公開

おじいちゃんのこと

思い返せば思い返すほど、こぼれるほどでてくるおじいちゃんの思い出。おじいちゃんがもうここにはいないという現実を受け入れるための時間の中で、三嶋さんが今敢えて言葉にしておきたかったこと。

6

6月20日公開

おおきく笑うこと

6月、はじめての中国、大連へ。海が近くて、ビルと車の多い都市。そこに生きる人たちは何事にも全力で、人間的で優しい。植物が、たべものが、そして人々が放つエネルギーに圧倒される旅だった。この旅で見たもの、感じたこと、そして帰国後の残り少ない学生生活、作品づくり、そして…。