coeur ya. standard
制作の息抜きに「世間で流行っているけど名前の分からないアレ」を自分用にと作った髪留め。普段は「こういうアクセサリーが欲しい」という作り方をしないので(第一回参照)唯一「人(自分)が着けているところ」をイメージしながら形を考えた商品(かも)。
「シマシマと暮らす展」より
シマシマがテーマの企画展に参加したときの作品。模様としてのシマシマの作品も作ったのですが、最後のひとつは少し視点を変えて、模様としてのシマシマではなく「シマシマ→ボーダー→境界」。指輪として使用するための境界線。その線は使い方によって境界線ではなくなる。1つで2通りの使い方が出来る指輪を制作。
「鉱物標本」より
等軸晶系。自然の、人の手が加えられていないのに結晶が立方体の黄鉄鉱。なにか作らないと!と制作意欲のかき立てられるような無数の立方体が食い合ったいるような形を、線の立体で表現したイヤリング。
「鉱物標本」より
斜方晶系。「鉱物標本」の作品の中でも一番制作するのが困難だった形。六角柱は形としてはシンプルですが、柱となる6本の線の距離が近すぎて、ガスバーナーを使って1本ロウ付け出来たとしても次の1本を付ける為に火を当てすぎると先に付けた棒のロウも溶かしてしまう(倒れる)のを気をつけての制作。人が身につけるには強度がどうしても足りず非売品として展示。
「鉱物標本」より
単斜晶系。一見「菫青石」と同じ六角柱に見えますが、雲母は柱が少し斜めだそうです。「鉱物標本」でどうしても作りたかったブレスレットですが、人が身につけるには強度がどうしても足りず非売品として展示。
「鉱物標本」より
等軸晶系。「綺麗な二等辺三角形が12面並ぶが、まれに低温石英特有の胴回りの六面の柱面が、高温石英にも短い柱で現れる」そうで、制作としては手間は掛かりますが、この造形を模したブローチを制作。
「雨と欠片」より
「雨だれ=軒先からしたたり落ちる雨のしずく」ですが、好きな曲の歌詞から「雨だれ打つ」という言葉を題に。円の部分は雨だれに打たれた地面をイメージ。あとこの曲の「三角屋根の先端は今日も尖ってる」という歌詞が好きなので、影に三角屋根が現れるように。勝手にオマージュしてすみません。
「雨と欠片」より
春季最後の節気(二十四節気)。穀雨とは穀物を潤す雨というような意味ですが、二十四節気「春季」の最後の節気というところに視点をおいて、春季の花の牡丹をイヤリングに、春が終わりに近づき散った花びらをピンブローチとして制作。
今回で半年続けさせていただいた連載も今回で最後。長かった(笑)!自分の考えなどを書くのは烏滸がましく、書いては消し書いては消しの繰り返し。ただ、普段なかなか公で話すことがない分、KAMAKULANIさんで書く事によって抱えていた気持ちが少し楽になったのも事実です。私事ですが、来年で彫金活動を始めて20年。19年目の今年は20年目に向けて「整える」が目標なので、KAMAKULANIさんでの連載が今までの気持ちを「整理」するとてもよい節目となったと勝手に思っています。20年目はビシッと気合いをいれて何かする予定です(ピシッととか言うわりにぼんやりした表現ですみません・・。)
「人は聞きたいと望んでいないかもしれない」話でしたが、読んで下さりありがとうございました!
小さなお店の小さなアンティークショーケースで、小さな個展をします。
テーマは「水」。「水鞠」「水紋」「水界」… etc。
そんな「水の名前のブローチ展」。
「水の名前のブローチ展」in K-ship
日時/2017年6月26(月)~7月17日(月)
営業時間/AM 11:00~PM 5:00
休業日/水・日曜日
住所/〒581-0013 大阪府八尾市山本町南6-12-17(山本球場前)
TEL&FAX/072-934-0025
HP/http://kship.web.fc2.com
1
12月20日公開
幾何学模様のシンプルな形状。銀や真鍮の素朴な風合い。coeur ya.(クール ヤ.)のアクセサリーが持つ素朴で詩的な魅力の裏側には、これまで語られることのなかったストーリーがありました。
2
1月31日公開
なんとなく、なんとなく、でも導かれるようにして進んだ先には、子どもの頃に心惹かれた「彫金」の世界がありました。彫金を仕事にするにあたって、初めに決めたふたつのこととは…。
3
2月28日公開
2016年に初めて開催したギャラリーでの個展『鉱物標本』。テーマは「鉱物の結晶の形をしたアクセサリー」。当初は個展には消極的だったものの、作品の見せ方を模索する中で、声を掛けてくれたギャラリーや多くの人の協力もあり、coeur ya.さんの意識は徐々に個展の開催に向いていきました。
4
3月28日公開
立体的なアクセサリーのアイデアが生まれる原動力は意外なところにありました。年に一度の東京旅行で見るのは「建築」。良書『いいビルの写真集』を片手に、歴史的建築物から通りすがりの名もないビルまで、街には「何か作らないと!」と思わせる刺激があふれています。
5
4月25日公開
定番品から展示会ごとのコンセプトに沿って作られたものまで、最近の作品を写真で振り返る「phenomena編」。ひとつひとつは一見無機質な幾何学模様のアクセサリーが、いくつも並べてみると様々に形を変えながら有機的に変化しているように見えます。
6
5月22日公開
前回自らセレクトした自作にひとつひとつコメントを添えた「philosophy」編。語られることを待っていたcoeur ya.のアクセサリーに込められた様々なエピソード。「人は聞きたいと望んでいないかもしれない」最終回。