KAMAKULANI Editorial Desk

編集部

「いつもとは少し違う選択を。」をキーフレーズに、昨日とは少し違った新しい自分を発見できるような情報をお伝えするWEBマガジン「KAMAKULANI」の運営デスクです。

連載中KAMAKULANIのこと

1KAMAKULANIが生まれた日

なぜ家を建てる会社がWEBマガジンを始めたのか?

KAMAKULANIは2015年の夏に誕生しました。
運営するのは大阪でこだわりの注文住宅を建てる会社、フクダ・ロングライフデザイン。敏腕の編集者がいるわけでもなく、マスコミに太いパイプがあるわけでもなく、始まりは会社のサイトに住宅コラムを載せようというありふれた話でした。住宅ライターの藤岡信代さんに連載を依頼することまでは決まっていたものの、当初思い浮かべていたのはブログの延長のような簡単なもので、ひとつボタンを掛け違えていれば今頃はサイト内の1コンテンツとして埋もれてしまっていたかもしれません。

こだわる会社と、こだわる人たち

フクダ・ロングライフデザイン「パッシブZEH 〜place|プレイス〜

そもそもフクダ・ロングライフデザインは、いわゆる普通の「工務店」とは少し違います。社屋には雑貨店の8HATI(ハチ)を併設し、外観もまるでカフェのようだと言われます。ただ家を建てるだけではなくて、社名のとおり、ロングライフ、つまり「長く続いていく暮らし」をデザインする会社だから、家づくり以外にも、暮らしに役立つセミナーやワークショップを開催したり、インテリアや雑貨の提案を積極的に行なったりしているのです。

良い家に住む人は、きっときれいな服を着ていて、おいしいものを食べているはず。それはただ高級ということではなく、何事も家づくりと同じようにこだわって、同じように深い愛着を持っているだろう、ということ。フクダ・ロングライフデザインの家を選んでくれた方は、家具も、音楽も、部屋に飾る絵も、きっと常にアンテナを張って、長く愛せるものを探しているに違いない。そんな人たちと日々向き合っている会社だから、住宅コラムの企画会議のなかで「家のことだけではなく、アートや旅のことも載せたらどうでしょう?」という意見が出たのもごくごく自然な流れでした。

『KINFOLK』や『Monocle』のように

そこで白羽の矢が立ったのは営業企画チーフのデキさん。
デキさんは大阪の谷町六丁目で自身の雑貨店carbonを経営しつつ、8HATIのプロデュースからイベント企画、インテリアのコーディネートまで行うスーパーバイザーで、フクダ・ロングライフデザインの福田社長が美術館の館長をしていた頃から気の置けない仕事のパートナー。デキさんがこれから始まるWEBマガジンのキュレーターになれば、その豊富な人脈からおもしろいコラムを書いてくれそうな人が集まってくれるのではないか、という期待が高まりました。

The Monocle Guide to Better Living(日本版未発売)

当時、流行に敏感な人たちに注目されていたのは『KINFOLK』や『Monocle』のような新感覚の雑誌でした。それまでの専門誌のように、洋服なら洋服、経済なら経済、映画なら映画だけを扱うのではなく、様々なテーマを横断しながらライフスタイル全体を浮かび上がらせていく、まるで趣味の良い友だちのSNSを見ているような、そんな現代的なコンセプトの雑誌でした。これからつくるWEBマガジンも『KINFOLK』のように、暮らしの中でふとした瞬間に気軽に読めるものにしたい。

想定するターゲットは「ジェネレーションC」。
ジェネレーションCとは、アメリカで21世紀のデジタル世代の若者を指す言葉として使われています。「C」はCreation(創造)、Connection(つながり)、Curation(情報収集と整理)、Community(共同体)などの頭文字で、SNSを通じて共感できる人たちと国境を超えて繋がり合い、自らネットワークを作り出す世代を象徴しています。彼らに共通しているのは、自由で前向きなこと。

今にして思えば、ジェネレーションCの特性は、まさにInstagramで肌感覚の近い人たちと日常の楽しさや発見を共有する行為にぴったり一致します。日本でInstagramのユーザー数が1,000万人を突破して大流行したのが2015年の秋のこと。KAMAKULANIの誕生は、そんな時代の空気とシンクロしていたのかもしれません。

バトンをつないで

初期の資料

そしてデキさんのアイデアがWEBマガジンの方向性を決定づけました。

「PASS THE BATONみたいに、コラムからコラムへ引き継がれていくような仕組みはどう?」

PASS THE BATON

「PASS THE BATON」は「NEW RECYCLE」をコンセプトに、出品者が思い出の品を販売し、それを大切にしてくれる人が購入するというショップです。ただ物を売るだけでなく、バトンを繋ぐように、そこに込められた思い出や情熱を伝えていこう、という「PASS THE BATON」の趣旨が、KAMAKULANIのオーサーからオーサーへ連載がバトンタッチされていくスタイルのヒントになったのでした。

こんな風にして、KAMAKULANIは(この時まだその名前さえありませんでしたが)最初の小さな産声を上げたのでした。次回はKAMAKULANIの名前の由来についてお話しします。

連載中KAMAKULANIのこと

1

2月27日公開

KAMAKULANIが生まれた日

いつもとは少し違う選択を。そんな日常のささやかな喜びと発見を共有するために生まれたKAMAKULANI。その始まりは、小さなひらめきと小さな一歩でした。なぜ家をつくる会社がWEBマガジンを始めたのか?しかも住宅とは関係のないアートや旅の話題で…。そこにはフクダ・ロングライフデザインの家づくりにかける想いと深いつながりがありました。

2

3月27日公開

名前はKAMAKULANI

KAMAKULANIという名前が決まるまでにはいくつもの案が出されました。そのひとつひとつに意味や想いが込められていて、「もしあの名前になっていたら…」と考えるとこのKAMAKULANIの色んな架空の今が想像できます。でもやっぱり最後には、このサイトのこれからのヴィジョンを象徴するような、これ以上ないピッタリな名前に決まりました。

3

4月24日公開

これからのKAMAKULANI

小値賀町斑島の大原さん、元雑誌編集長の藤岡さん、BL出版の落合さん、そしてフクダ・ロングライフデザインの福田さん。2015年の夏、個性的な4人がKAMAKULANIの最初のオーサーになってくれました。身近な友だちから届く手紙のような文章から、本格的なプロの文章まで、多種多様なのがKAMAKULANIらしいところ。それぞれの分野で精力的に活躍するオーサーの皆さんの活動をKAMAKULANIでは今後もフォローして応援します!