中華人民共和国の遼寧省にある都市。総人口600万人と大阪市の2倍以上だが、面積は50倍以上あり、山地が多い。北郊外の技術開発地域には日本の製造業が多く進出している。「北の香港」とも呼ばれ、文化、経済ともに発展が進み、中国国内でも有数の観光地として知られている。
すっかり夏のような空気になって、でも風は涼しくって、爽やかな良い季節がきた。
私は何をしているかというと、あそんだり、たまに昼寝したり、たまーに仕事をしたり、卒業制作のことを考えたり、あそんだり。そんな感じだ。ごめんなさい。
6月初旬、初めて中国に行った。大連という海が近くて魚の美味しい、ビルと車の多い都市。空港に降り立った時に、空気の匂いが違うと感じた。ちょっと土っぽいような、乾燥した独特な匂い。でも、嫌な感じは全然しない。
あ、外国に来た、と思った。
車に乗せてもらって市内を走ると、どんどんと開発されているビル群。全てに人が住むのか、そんなに人がいるのか。昔は、車の渋滞なんて考えられないような場所だったらしい。
滞在中は、いろんな食事をいただくことができた(案内してくれた方が大変な食通で、珍味から王道のものまで、それはもうたらふく食べさせてくれた)。
これは、食用の犬(!)を、味噌のようなものにつけて食べているもの。犬肉は、滋養強壮にとても良いらしく重宝されているとのこと。ただの愛犬家である私は、驚きながらも何の違和感もなく食べることができた。
その他にも、クラゲだったり豚の足だったり、豚の血を固めたものだったり、日本で食べることになったら絶対に口にできないようなものを、恐る恐る食べる。食べることができる。私は基本的にホルモンなど内臓ものは苦手なのだが、全部食べることができた。美味しかった。
場所のちからなのか。
基本的には何かしらをずっと食べ、ずっと飲んでいた。中国の人たちはずーっと笑っているし食べているし飲んでいる。普段、のぺーっと生きている私は、すぐに疲れてしまった。
食べるにも、飲むにも、笑うにも、エネルギーを使うんだな。そしてこの国の人たちはそれを全て全力で、遂行している。
なんて人間的で素敵なんだろうと思った。
そして、みんなとにかく優しい。
特に、招いてくれた人たちは、とにかく私たちが中国を満喫できるように、楽しんで帰ってもらえるように、手取り足取り、なんでもやってくれた。私にここまで出来るかしら?と思ってしまうまでに。
「情深い」とはこういうことなのかなと思ったりした。あったかい〜と思う間もないくらい、優しかった。人と同じくらい、植物が、たべものが発散するエネルギーも強い。だから疲れるのか、食物に圧倒されてしまうのか。
この旅で感じたことを言葉にしなければ、と思いながら、しかし言葉にしづらい思いがたくさんあった。
人のちから。大陸という場所のちから。海。ビル。古い建物。笑うこと。食べること。泣くこと。休むこと。何もしないでぼんやりすること。風が涼しかったこと。日差しが暑いこと。
みんな、おおきく笑うことが得意みたいだということ。
帰国してから、次に向けて制作や仕事をはじめている。
お仕事の数はかなり減らさせていただいているが、受けているものに関しては全力でやっている。楽しい。特に、卒業制作に向けてもモチベーションがめっちゃ高い!(3月に本学で行われるので是非見にいらしてください)
この半年で、私はいろんな人に出会い、別れ、でも言えることは全部無駄ではなくて何かしらの糧になっているということ。
ここで発信したことは、今回もそうだがパーソナルな部分が多くて、読んでくれた方に対してどうこうというものではないかもしれないが、ちょっと気分転換だったり、ちがう景色だったり。一緒に旅行したような気分になってもらってもいいかなと思ったりもする。
でも、やはり大事なのは、じぶんの目で見る、触れるということ。
卒業までの残り数ヶ月と、それからと、この気持ちはずっと大事に、あと、周りの人たちのことも大事に大事に(これは特に今回の中国滞在でより強く思った)していきたいと思う。
“人間万事塞翁が馬”ですもんね。
1
1月23日公開
現役美大生でありながら、プロとしてCDジャケットや雑誌の挿画のデザインなどをこなす話題のアーティスト、三嶋さつきさん。Instagramで1万人以上のフォロワーを集めるなど、インターネットでもその評価は着実に広まっています。平日は学校、週末は自宅でデザインの仕事をしながら、デザインとは何か?という根源的なテーマに向き合っています。
2
2月17日公開
学校や仕事のあいまにも絵を描く。「部屋にあると優しい気持ちになるようなものを」そんな創作活動への姿勢は三嶋さんのすべての作品に共通しています。最近描いただいすきなチューリップの絵が完成するまで工程を公開!
3
3月21日公開
吉祥寺にじ画廊での個展『いきをすう』と『太陽と呼吸』を終えて、搬入や設営をしながら「お客さんに来てもらえるのか?!」と不安になったことや、それでも会期中にはたくさんの出会いがあったことなどを、いま振り返ります。
4
4月18日公開
12,000人のフォロワーがいたInstagramを突然やめた。それは作家としての決意表明だったのかもしれません。本当は楽したい。だからこそ、指さきだけで簡単にできてしまうことから距離を置こう。今年は学生生活最後の1年、そんな思いを胸に、三嶋さんはどんな時間を過ごすのでしょう。
5
5月30日公開
思い返せば思い返すほど、こぼれるほどでてくるおじいちゃんの思い出。おじいちゃんがもうここにはいないという現実を受け入れるための時間の中で、三嶋さんが今敢えて言葉にしておきたかったこと。
6
6月20日公開
6月、はじめての中国、大連へ。海が近くて、ビルと車の多い都市。そこに生きる人たちは何事にも全力で、人間的で優しい。植物が、たべものが、そして人々が放つエネルギーに圧倒される旅だった。この旅で見たもの、感じたこと、そして帰国後の残り少ない学生生活、作品づくり、そして…。